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カンボジアについて,外務省海外安全ホームページの海外安全情報(危険情報)が改訂されました(危険レベル1「十分注意してください」の継続)。詳細は,以下本文をご覧ください。


(本文)
カンボジアの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

【危険レベル】
●全土
レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●プノンペン都内を中心に,強引なひったくり事案等が頻発しているほか,凶器を使用した強盗事件に日本人旅行者が巻き込まれる事案も発生しています。外出する際には,極力バッグ等の荷物は持たない,タクシー等の自動車を利用する,周囲への警戒を怠らないなど,犯罪の標的とされないよう対策を講じてください。
●2017年9月に,最大野党の党首が逮捕されました。現時点で目立った衝突等は起きていませんが,2018年7月に予定されている国政選挙に向け,緊張が高まる可能性があることから,常に最新の情報を入手するよう心がけてください。

1 概況
(1)一般治安情勢等
カンボジアでは,特に首都のプノンペンで,強盗,ひったくり,置き引き,スリ,いかさま賭博等の犯罪が多発しており,多くの日本人観光客や在留邦人が被害に遭っています。最近では,日本人旅行者が,凶器を使用した強盗事件の被害に遭ったほか,トゥクトゥク(三輪タクシー)やモトドップ(バイクタクシー)で移動中にひったくりに遭った際に転落して重傷を負ったり,たすき掛けにしていたバッグを強引に掴まれ,引きずり回されて怪我をする事案などの強引な手口による被害が報告されています。

(2)カンボジア国内の政情
2013年7月28日に実施された国民議会議員選挙の結果,与党人民党が勝利し,同年9月24日に新政権が発足しました。野党救国党は選挙に不正があったとして国会をボイコットし,大規模集会・デモを続けましたが,与野党の断続的な協議を経て,2014年7月22日に政治合意が結ばれ,同年8月8日に救国党が国会に初登院し,国会は正常化しました。その後,2017年6月の地方選挙は,比較的平穏に実施されましたが,9月には,最大野党救国党のケム・ソカー党首が逮捕されるなどしており,今後,2018年7月の国政選挙に向け,緊張が高まる可能性は否定できません。政治情勢をめぐる混乱が発生する可能性があることも踏まえ,常に最新の情報を入手するよう心がけてください。
 
(3)テロ情勢
ア 過去には,2008年のカンボジア・ベトナム友好記念碑における爆弾事件(負傷者なし),2009年の国防省及びTV3(民放テレビ局)付近への爆発物設置事件等のテロ関連の事件が発生しています。現在のところ,大規模テロにつながるような情勢の変化は認められませんが,2015年8月に発生したタイ・バンコクにおける爆発事件の関係者とされる男が,タイとの国境付近で逮捕される事案も発生しており,引き続き注意が必要です。

イ これまでに,カンボジアにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

(4)領土問題
カンボジアとタイの国境付近に位置し,2008年7月にユネスコ世界遺産に登録されたカンボジアの「プレアビヒア寺院」(タイ側呼称:カオ・プラ・ウィハーン遺跡)周辺地域では,カンボジアとタイ両国が主張する国境線の違いを巡って,2008年10月以降,両国軍の間で発砲を伴う衝突がたびたび発生しましたが,その後,両国は軍の撤退に合意し,寺院付近の緊張状態は緩和されました(寺院に近接する国境ゲートは引き続き閉鎖されています。)。

国際司法裁判所(ICJ)は2013年11月,同遺跡はカンボジアに帰属するとした1962年の判決に関して,遺跡が建つ断崖一帯がカンボジア領であることを認めたものであるとの解釈を示し,タイ側はその領土に駐留させていた軍や警察部隊,その他の警備要員や守衛を撤退させる義務があると宣言しました。その後,両国政府はICJの判決を友好的に履行していく姿勢を示すとともに,2014年5月のタイにおける軍事政権の成立後も,下記(2地域別情勢(4))のような両国間の様々な外交努力等により,現在,プレアビヒア寺院周辺地域は,概ね平穏な状況にあります。
但し,プレアビヒア寺院の周辺地域におけるカンボジア・タイ間の国境線が確定されていない状況は続いており,今後の両国の政治情勢の変化に引き続き十分な注意が必要です。

2 地域別情勢 
全土:「レベル1:十分注意してください。」(継続)
(1)カンボジア全般
過去の長期にわたる内戦の結果,国内には銃器類が広く出回っており,これらの銃器等を使用した強盗事件が発生しています。最近では,白昼に徒歩で観光中,裏路地に連れ込まれナイフで切りつけられた上で金品を強奪される事件,深夜にバイクタクシーで移動中,後方から追ってきたバイクに蹴り倒され拳銃を突きつけられた上で金品を強奪される事件等が発生しています。

また,都市部や観光地に限らず,地方都市でもひったくりやスリ,置き引き等の一般犯罪が多発しており,ひったくり事件は,日本とは全く態様が異なり,時間帯(朝,昼,夜)・場所(大通り,裏通り,通行量)を問わず発生しているほか,バッグをたすき掛けにしたり,車道とは反対側に持つなどの対策を取っていたにもかかわらず,強引に奪い取られ,怪我を負う被害が発生しています。

更に,カンボジアの経済発展に伴い,ビジネスに絡む詐欺事件も報告されるようになっています。

ついては,カンボジアに渡航,滞在を予定されている方は,単独行動や夜間の外出は避け,バッグなどの荷物は極力持たない,タクシー等の自動車を利用する,周囲への警戒を怠らないなど,不測の事態に巻き込まれないよう十分注意してください。

(2)首都プノンペン
プノンペンでは,ひったくり・スリ・侵入盗・いかさま賭博詐欺など多様な犯罪が発生しており,日本人の被害も数多く報告されているので,十分注意してください(事例や対策については,安全対策基礎データをご参照ください)。最近では,時間帯や場所を選ばずに犯罪が起きており,拳銃等を使用した犯罪も発生しているため,一層の注意が必要です。

(3)シェムリアップ州
アンコール遺跡が所在するシェムリアップ州には,カンボジアで最も多くの外国人観光客が訪れますが,同州においても首都プノンペンと同様,人混みの中でのスリ被害,モトドップ(オートバイタクシー)やトゥクトゥク(三輪タクシー),レンタルバイク・自転車乗車時のひったくり被害,悪質ツアーガイド等による恐喝,あるいは休憩中の置き引き被害など,旅行者が被害に遭う例が数多く報告されていますので,十分注意してください。

(4)「プレアビヒア寺院」の周辺地域 
プレアビヒア州のタイとの国境付近に位置し,2008年7月にユネスコ世界遺産に登録された「プレアビヒア寺院」の周辺地域で,両国の主張する国境線の違いを巡り,これまで,カンボジアとタイとの間に緊張状態が生じていましたが,現在は以下のような両国間の様々な外交努力等により,プレアビヒア寺院周辺地域は概ね平穏な状況にあります。

2014年10月に開催されたカンボジア・タイの首脳会談において,フン・セン首相から,国境線を含む全ての問題を友好的な交渉によって解決するとの方針が示されています。

また,2008年のプレアビヒア世界遺産登録の際に設立が提案されていたにもかかわらず,両国間の対立により設立が保留となっていたプレアビヒア寺院の保存・修復に係る国際調整委員会(ICC)が,両国出席の上,2014年12月に開催されました。カンボジア側プレアビヒア寺院周辺は,タイ側と比して交通手段や警備体制の整備がより進んでおり,観光客が同地域で不測の事態に巻き込まれる可能性は現時点では低いと考えられます。

他方,同寺院周辺の国境線は未だに確定されておらず,両国の今後の政治情勢の変化により国境付近で再び緊張が高まる可能性は排除できず,引き続き十分な注意が必要です。
同地域周辺への渡航・滞在を予定されている方は,引き続き自らの安全確保に十分留意し,最新の治安情勢を入手するとともに,信頼できる旅行エージェント,旅行ガイドを選び,状況に応じた安全対策を講じるよう,心がけてください。

(5)オッドーミアンチェイ州
カンボジア北西部オッドーミアンチェイ州のタイとの国境地帯では,2010年6月以降,カンボジアとタイ両国軍の間で断続的な武力衝突が発生しており,2011年4月にはトモードーン,タークロバイ寺院及びターモアン寺院周辺で,それぞれ大規模な銃撃戦が発生し,両国軍双方に死傷者が出ました。現在事態は沈静化していますが,今後同様の武力衝突が再発する可能性は排除できません。同地域周辺に渡航・滞在を予定されている方は,最新情報の入手を心がけるとともに,現地情勢を把握した上で,不測の事態に巻き込まれないよう,安全対策に努めてください。

(6)カンボジア北西部等(地雷埋設地域)
カンボジア北西部(バッタンバン州,バンテアイミアンチェイ州,オッドーミアンチェイ州,プレアビヒア州)及びコッコン州,ポーサット州のタイ国境沿い,また,シェムリアップ州の一部(スバイレオ郡)等では,内戦時代に埋設された地雷が今でも多数残っており,これらの地雷に誤って触れた住民が死亡したり,大怪我をする事故が現在も報告されています。地雷が埋設されている地帯には,立ち入り禁止を意味するドクロのマークが描かれた看板がありますので,この看板のある地帯には絶対に立ち入らないでください。また,看板がない場所であっても,周辺の農地や空き地,森林等へ不用意に立ち入ることのないようにしてください。

3 滞在に当たっての注意
(1)国内の車両台数の増加に伴い,交通事故の発生件数も大幅に増えています。以下の点に留意してください(詳細は安全対策基礎データをご参照ください)。
ア 歩行中又は車の運転中は細心の注意を払う。

イ 日没後の移動は極力避け,やむを得ず外出する際には,できる限りトゥクトゥクの利用は避け,自家用車やメータータクシー等を利用する。

ウ トゥクトゥク利用にあたっては,利用したことのある信頼できるドライバーを電話で呼ぶか,旅行代理店から紹介を受ける。乗車中のひったくり被害も発生しているので,乗車後も気を抜かない。
 
エ モトドップ(バイクタクシー)乗車中の事故は大けがにつながる恐れがあるため,乗車は避ける。

オ カンボジアで車両を運転する場合には,必ず自動車保険に加入する。
 
カ 外灯のない道路やヘッドライトを点灯していない車両もあるため,夜間の移動は慎重に行う。

(2)旅券(パスポート)の紛失や盗難により,新たに旅券や「帰国のための渡航書」の発給を受けた場合,入国管理局にて「出国ビザ(Exit Visa)」を取得する必要があります。このビザの取得には少なくとも3日(土日祝日を除く)を要する上,発行場所がプノンペンの入国管理局のみであるため,大使館で旅券や「帰国のための渡航書」の発給を受けたとしても,直ぐには帰国することはできません。したがって,旅券の管理にはくれぐれも注意してください。

(3)最近,高齢の日本人旅行者が増えていますが,アンコール遺跡には足場の悪い場所が多くあり,転落事故も起きていますので,十分注意してください。

(4)高温多湿な気候のため,旅行中に健康を損ねる人も少なくありません。水分・ミネラルの十分な補給を心がけるとともに,疲労を感じたときは無理をせず休息をとるようにしてください。

(5)下痢などを主な症状とする消化器系の感染症や,蚊が媒介する「ジカウイルス感染症」,「デング熱」,「マラリア」及び「日本脳炎」などの感染症が流行しています。飲料水や食品の摂取には十分注意し,また,蚊に刺されないよう肌の露出を控え虫除け剤を使用する等の対策に努めてください(以下の感染症広域情報も併せてご確認ください)。

ジカウイルス感染症に関する注意喚起

http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2017C197.html 

アジア大洋州におけるデング熱の流行

http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2017C013.html 

また,高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)については,WHOの発表によれば,カンボジアでは2005年から2014年までヒトへの感染が報告されており,同国内における人の発症者数は累計で56人(うち死亡者37人)となっています。カンボジア国内の家禽類にはH5N1ウィルスが常在化していますので,滞在中は,ニワトリやアヒルなどの家禽類や野鳥との接触は極力避け,食事前の手洗いを励行し,食事は十分火が通った物を摂るなど,衛生管理に十分注意してください。
(参考)厚生労働省ホームページ(鳥インフルエンザA(H5N1)について)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144523.html 

(6)カンボジアの医療水準は低く,近代的な医療施設や機器が不十分であるため,特に重い病気や負傷の場合には,タイやシンガポール等に緊急移送され,高額の移送費及び治療費を請求されることがあります。旅行に際しては,医療面に限らず,不測の事件被害あるいは事故等に備えるためにも,緊急搬送を含む十分な補償内容の海外旅行保険に加入しておくことをお勧めします。

外務省ホームページ「世界の医療事情」において,カンボジア国内の衛生・医療情報等を案内していますので,渡航前にご参照ください。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/cambodia.html
 
その他,必要な予防接種等については,以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。 

感染症情報

http://www.forth.go.jp/ 

(7)海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。

https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet 

3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。

https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ 
 
(問い合わせ窓口)
○外務省海外安全相談センター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902,2903

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
 (内線)5139
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
 (内線)3047
○外務省海外安全ホームページ 
(PC版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/  

(スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html 

(モバイル版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp 

(現地公館連絡先)
○在カンボジア日本国大使館
No.194 Moha Vithei Preah Norodom, Sangkat Tonle Bassac Khan Chamkarmom, Phnom Penh, Cambodia
電話(市外局番023)-217-161~4
国外からは(国番号855)-23-217-161~4
FAX(市外局番023)-216-162
国外からは(国番号855)-23-216-162

 

 

 

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