6日目
ラタナキリ-コンポンチャム
今日こそはと窓を開ける。
薄っすらとしたオレンジ色が、黒ずんだ紫を押し出そうとしている。
急いでバイクに跨り、ヤクロム湖に向かう。道路は昨日とそう大差ないようだ。出来れば、朝日が映る湖を撮りたい。
途中、オレンジは灰色の空に飲み込まれ、湖には曇った空しか映っていない。
昨日確認していたピックアップトラックの出発時間は8時だ。
ぎりぎりまで粘り、湖に反射する太陽を写して帰りたい。2時間ほど粘るが、とうとう太陽は顔を見せなかった。
近くにある少数民族の展示場を覘き、森の小道を歩くと黄色い蝶、頭が三角のヒルなどが動いていた。
ゆっくりと宿へと向かう。”プシュー”と言う音が聞こえたかと思うと、タイヤが急に滑りだした。
ああ、パンクだ。まだ町まで4kmはある。ぬかるんだ地面でスニーカーが赤茶色になる。やっとの思いで到着した修理屋でパンクを直した頃にはもう9時半を回っていた。
もう、ピックアップトラックは出ただろうか。雨上がりのこの地からバイクで次の町まではかなり厳しいだろう。どうにかバイクごと車に載せて移動したい。
とりあえず、停留所に向かう。まだ停まっていた。どうも採算が取れるほど人数が集まっていないようだ。良かった。
宿で荷をまとめ、バイクごとピックアップに載せ、晴天のラタナキリの町を後にした。
今日の予定地、コンポンチャムまでは6時間だと言うが、本当だろうか?
4時間たった今でもまだ、ストゥントレイに到着していない・・。途中2度のパンクも原因だろうが・・。
予定時間を大幅に過ぎ、夜9時を回った頃にやっとコンポンチャムに到着した。所要時間は11時間、代金は25$(内訳バイク10$、人間・窓のない車の中15$)であった。
コンポンチャムからシェムリアップまで約5時間。
明日は、少しゆっくり出来そうだ。