もうかれこれ1年半くらい前(2014年11月1日)の話になるのですが、実験的にカンボジアで自費出版をしてみたのでそのお話を。
出版した書籍名が「カンボジアで出会いたい100人」と言うものなのですが、内容はざっくりこんな感じです。
【内容紹介】
カンボジア在住、もしくはカンボジアと繋がりながら、ビジネス、ボランティア、生活をしている100人の人生を紹介しているノンフィクションライフ ブック。カンボジアでのビジネスヒントや生活の知恵や雑学、カンボジアに住む日本人ならではの人生観、出来事などを、余すことなく淡々と紹介している一冊 です。
ハイ。タイトルからしてお分かりの通り、あまりにもニッチマーケットのためほとんど売れていない幻の書籍であり、僕の密かな夢がブックオフで古本を見つけることです。(ブックオフに並んだ本=メジャーな本と思っている)
まあ、内容とかそんな話はどうでもいいんですが、今回紹介したいことは、カンボジアで自費出版を行う場合どうすればいいのか、もしくは実際大変なのか?ということです。
本を出版するまでの流れ
まず、書籍を作るための流れをざっくり言うと。(僕のケースであり100人のインタビュー書籍なので一般とは異なる)
1.企画
2.リスト書き出し
3.アポどり
4.インタビュー
5.撮影
6.テープ起こし
7.原稿書き
8.編集
9. 校正
10. デザイン
11. 装丁
12. ISBN取得
13. 印刷会社選定
14. 流通ルート確保
15.納品、発送
16. キンドル電子書籍発行
と言う流れをほぼほぼ自分でやってみました。(もちろん、いろんな方にもお世話になってます。皆さんその節はありがとうございます!)
自分自身、長い間フリーペーパーに携わっていたこともあり、実際にやることはあんまり変わらない作業だったのですが、一番大変だったのがやはり実際に100人以上インタビューし、録音したテープを聞きながら、文章へとダイレクト変換していく作業でした(時間が経てば経つほど記憶がないし、自分の経験に全くない分野の話だとそれを調べる作業で時間がかかる)。二番目に大変だったのが編集と校正、三番目はその100人への再確認作業、そしておまけがインタビューのために日本中を移動したことですね。
自分が書いたものを、ある程度期間をあけて何度も読み直しては、書き直すという作業。なんとなく自分の中でしっくりくるまで、えんえんと繰り返し、頭を休ませては、再度読み直す…。かなり心の折れそうな時間でした。
まあ、通常自費出版をする場合は、原稿書きまでが本人のやることで、そこから先(リストだと8番)、編集者と一緒にやるという感じになってくるわけなので、そこから説明すると、カンボジアの場合は専門の編集者がいるわけではないので、知り合いなどに読み直してもらって、いろいろ意見をもらったり、校正してもらったりするようになります。
そして、次に書籍の装丁や、誌面のデザインなどです。こちらに関してはフリーペーパーを出版している会社などに頼めばやってくれますし、クラウドワークスなどで探してもどうにかなります。
次に問題となるが、ISBN取得ですね。実はこれプノンペンにある国立図書館に行けば発行してくれます。ただし、日本で販売する場合は日本で取得する必要があるのでお気を付けくださいませ。
そして、最大の難関が印刷会社の選定。選定ポイントは、人、クオリティ、料金に左右されるかと思いますが、日本での販売を目的としている場合はどうしてもクオリティを重視しなくてはなりません。
カンボジアで実際に自費出版をした場合の問題点や料金など
僕の場合、それまでフリーペーパーを出版する際に一番クオリティが高いと思っていたところにお願いしました。ただし、見積もりに関しては5社ほどあいみつをとり、その中で一番適切と思われる料金の会社をベースとして、数度に亘って交渉したんですけどね。
その金額が、3000部発行(A5サイズ、カバーあり、336ページ、グロッシー、4C)の場合1冊単価2.3ドル、合計6900ドル。(シェムリアップまでの送料別で送料が500ドル程度となり、雨で濡れた場合でも保証はなし)
で、納品約束は7~10営業日とのことだけど、実際納品されたのは20日後位。それも全部でなくて、3度に分けての納品。そしてクオリティはと言うと…。
納品された3000冊のうち、20%程度が販売出来ないクオリティ。
どんなものが多いのかと言うと、納品時のダメージと数ページがまるまる無いというもの。つまり、実際は20%以上原価が上がるので、実質2.9ドル程度。で、印刷会社にコンプレインしても、じゃーそれを全部持ってきてという感じで、そんな時間とマンパワー考えると無理。
また日本での販売のために、最初300冊送付したのですが輸送会社が雑にパッキングしていたために、ほとんど売り物にならず再送付…。ちなみに300冊の送料が1500ドルなので、1冊当たり5ドルの送料なんですよね。
次に、日本の販売店への卸価格が1冊400円。日本の販売代理店の販売額が1850円+税金で1998円での販売。(代理店にもいろいろご迷惑をおかけしてすみません・・・)
さらに日本で代理店にISBNを取得してもらって貼り付けしてもらう費用が4万円追加。300冊だと1冊当たり133円…。
ハイ。印刷費が2.9ドル+送料5ドルで7.9ドルが原価。それを400円で卸すわけなので、レート換算すると当時(1ドル=119円)だと1冊当たり940円+ISBNで133円=1,073円。その差額673円。つまり1冊売れれば673円損をするという状況なんですよね。でもまあ、目的通り東京の書店で流通はできたので良しとして…。
キンドルでの電子書籍発行は簡単!
そして、最後がキンドルでの発行。
実のところ、電子書籍って結構大変じゃないのかと思って、一番後回しにしていたんですよね。
でも、やり始めてわかったことが、ものすごく簡単!ってこと。もともと出来上がっていた原稿と画像をワードに落とし込んで、アップロードするだけ。で、売れるとラッキー的な感じで定期的(月に1~3冊くらいしか売れないけど)に入金があるので少しだけ嬉しい。
まあ、一部気になることもあったけど、それまでの過程が尋常じゃないくらい大変だったので、このぐらい気にもならないという状況でした。
ということで、もしもカンボジアで自費出版をと考えている方!
せっかくなのでこの経験を活かして各種代行作業(編集・校正・装丁・印刷代行など)も行います。
ご興味ある方、ご連絡くださいませ。
発行部数にもよりますが、カンボジア関連の書籍でカンボジアでの販売を考えている方にはいいかもです。
ついでにどんなクオリティか知りたい方、こちらからも購入できます。
勝手なビジネス考察
今回やってみた経験から言うと、個人で全部やるのはよっぽど暇で根性がないと無理ってことでした。僕の場合、ちょうど前の会社を退社してのんびりと新しい会社をやろうというタイミングだったのでいろいろ時間がとれたのですが、掛け持ちになった途端マジで大変でした。
家庭もあるので、仕事終わってから夜中に作業を開始し、一人早起きしてはオフィスに移動し作業を開始・・・。
時間は金で買えるもの。自分だけで出来ないもの、不得意分野に関してはどんどん外注したほうが正解です!ご興味ある方、是非ご連絡ください。
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